#42/ 学びにおける"タイミング"の重要性について語ってみる
本コンテンツは、「Nodebaseのコンテンツになりそうな雑談」というテーマでNodebaseチームで雑談をした回の文字起こしです。雑談なので、細かい内容の検証等はしていません。内容に間違いがある可能性はありますので、その辺りご容赦ください。
今回は、大人になって「学ぶ」ことを通じて「学ぶタイミングって結構大事だよね?」というお話です。
カンタ : 最近、「学び」において「タイミング」ってめちゃくちゃ重要なんじゃないかと思ってて
バルカナ : タイミング、ですか?
カンタ : うん。「学び」について話すとき、内容とか伝え方の話にフォーカスが当たりがちじゃん
バルカナ : はい。
カンタ : 例えば、情報技術について学びたいならどんなコンテンツが良いかとか、数学を面白く教えるためにはどう伝えたらいいかとか。
バルカナ : 確かにそうですね。
カンタ : でもさ、学びって内容よりも伝え方よりも「タイミング」の方が重要なんじゃないかと最近ふと思って
サキ : へー、なんでですか??
カンタ : 学生時代から、いわゆる教養と言われるような、歴史とか哲学とか宗教とかって勉強しないとなーとは思ってて入門書とか手にとっては積読してたんだけど
バルカナ : 分かる。笑
カンタ : 最近、うちで法人スポンサーもさせてもらってるCOTENさんの提供してるCOTEN RADIOとか、あと、そういう人文学領域に詳しい人達が周りに増えて色々話して結構学びが得られていて
サキ : 色々勉強されてますよね
カンタ : で、学んでると、墾田永年私財法すげー!とか、韓非子すげー!とか、ルソーすげー!とかって思うんだけど
サキ : はい
カンタ : これ20年前に同じことを同じように説明されて同じように理解して感動出来たのかって考えると、多分そうじゃなかったなって思うんだよね
バルカナ : そうなんですか?
カンタ : 大学生、大学院生、サラリーマン、経営者とやってきて、色んな経験値が溜まってきて、歴史とか哲学とかって、「あー、あのときのあれはこれと同じやつだったのか」みたいな答え合わせ感があるんだよね
サキ : へー、なるほど
カンタ : で、じゃぁ、20年前に先に学んでて予習してたら、いざそれに直面したときにそう思えてたかというと多分思えてなかったんだよね
バルカナ : ほう
カンタ : だってさ、内容としては中高生のときに一回学んではいるわけなんだよ、歴史とか特に。
バルカナ : たしかに
カンタ : 墾田永年私財法とか、これによって200年後くらいに武士が爆誕して、武家社会が到来して1,000年近く続くとかめちゃくちゃインパクトがあったわけだけど、それを中高生のときに言われてもあんまピンと来なかったと思うんだよね
サキ : たしかに。今でもピンと来てないかもしれません。笑
カンタ : これ会社で例えると、自分が営業して獲ってきたお客さんはあなたの個人的なお客さんとしていいです。その代わり売上の一部は会社に収めてくださいね、みたいなことなわけだけどさ。
バルカナ : なるほど
カンタ : これやると社員間での給与格差広がるし、社長よりも稼ぐ人ももちろん出てくるよね。
バルカナ : そうですね。
カンタ : で、お客さんは自分のものだってなったら実質独立してるようなもんじゃん。
バルカナ : たしかに
カンタ : そしたら言う事聞かなくなって会社としての体は失われそうだよね
サキ : ふむふむ
カンタ : でも国内市場は限られてるわけだから粗方獲りきってしまったら、今度は営業同士で奪い合うしかなくなるよね
バルカナ : そうなりますね
カンタ : これって戦国時代だよね、みたいな。
サキ : なるほど。分かりやすい。
カンタ : 今みたいな理解って、自分が経営者をやっていて、この国家運営とか貴族の領地経営とか武家の頭領の晒されてるインセンティブ構造に対して自分の経験を重ね合わせられることで「面白い」と感じてるということだと思うんだよね
バルカナ : あー、なるほど。それって事前に学んでても経験したときにその学びが深まるってことにはならないんですかね?
カンタ : ゼロではないけど可能性は低いと思う。解凍アルゴリズムの分からない圧縮ファイルをダウンロードして保存は出来ても、解凍アルゴリズム(経験)を得たときにそのファイルを引っ張り出してわざわざ解凍しないみたいな。
バルカナ : 例え話で余計分かりにくくなった気がします。笑
カンタ : 理解を伴わない知識って、結局、その理解を得られる体験が訪れたときに引っ張り出せないんじゃないかと思うんだよね。
バルカナ : あー。たまに、あの時カンタさんが言ってたやつこれかみたいな、体験したときに思い出すみたいなことはありますけど、たぶん自分が自覚してるよりもっと機会はあったのかもしれないと考えるとそうかも。
カンタ : そうそう。その体験から理解が深まる知識が100あったとしても、そのときに引き出して学びに消化出来るものは1くらいしかなくて
バルカナ : なるほど
カンタ : 逆に体験のあとに知識を得ると100の中70くらいは学びになるみたいな非対称性がある気がする
バルカナ : 言わんとすることは分かってきた気がします
カンタ : 子育てしててもよく思うんだけどさ、大人って、自分が理解してることを順序立てて子供に説明したら分かるだろうみたいな感覚がどこかあるなと思ってて
サキ : あー
カンタ : 例えばさ、教科書をステップ・バイ・ステップで教えれば、1年間で小学校6年間分の内容を教えることは多分出来るよね
バルカナ : 基本積み上げていくものなので、順番に教えてれば出来そうな気がしますね。量も難易度も大人の感覚ではそこまで膨大でもない感じしますし
カンタ : でもさ、実際はそうはならんよね。
サキ : ならなそうですね。
カンタ : 子どもの場合は、発達という要素もあるから大人と全く同じ話ではないんだけど、「タイミング」が大事という意味では共通してるなと思うんだよね。
バルカナ : あー、なるほど。
カンタ : たとえば、「10歳の壁」って聞いたことある?
サキ : 私は知らないです
バルカナ : 聞いたことある気はするけどよく知らないです
カンタ : 10歳くらいのときに勉強とかでつまづく子がいきなり増えるみたいな話なんだけど
サキ : へー、小学校4年生くらいですね
カンタ : そうそう。これって、学習内容の抽象度が一気に上がるからだっていう考え方があって
バルカナ : そうなんですか?
カンタ : 例えばこの時期の算数で「割合」って習うんだけど
バルカナ : 懐かしい。確かにつまづいてる子が多かったかも
カンタ : 割合って結構難しいことを言っていて
サキ : そうなんですか?
カンタ : 例えばさ、2割引で100円で売ってます。元値はいくらですか?って聞かれてパッと答えられる?
バルカナ : 紙に書かないと自信ないですね。
カンタ : 油断してると120円って言いそうだよね
サキ : はい
カンタ : これってさ、元値を1とすると、今の値段が0.8 (1-0.2)という知識を使って、今の値段/0.8をするって立式をする必要があるんだけど
バルカナ : あー。方程式にして移行しないと一発で数式が出てこないかも。笑
カンタ : x * 0.8 = 100 ってことだよね?
バルカナ : はい。
カンタ : 「1」って3つの意味があって
バルカナ : ほう
カンタ : 順番としての1、量としての1、この2つは未就学児の段階でも理解出来る
バルカナ : なるほど。1番目とかの1と、1個とかの1ですね
カンタ : で、最後が、基準としての「1」を学ぶ
バルカナ : あー、全体を1としたときに、みたいなことですね
カンタ : そうそう。これってさ、かなり抽象度高いよね。
サキ : 言われてみるとめちゃくちゃ難しいこと言ってますね
カンタ : 「1とする」時の「1」は目に見えなくて、頭の中でそうだとしてという考え方をしないといけない
バルカナ : はいはい
カンタ : こういう抽象度の高い思考が出来るようになるのが定型発達児で10歳頃と言われていて、だから小学校4年生くらいからそういう単元が入ってくるんだよね
サキ : へー、なるほど
カンタ : でもさ、それは平均の話であって個人差は当然あるわけじゃん
バルカナ : そうですね
カンタ : でも、学校という形態上、みんなが同じタイミングで同じ内容を学ぶことが求められていて、その時がその人にとって準備の出来てるタイミングじゃなかったら「落ちこぼれ」ちゃうわけだよね
サキ : あー、たしかに。そうなってしまうのか
カンタ : 本当はタイミングがまだなだけだったのに、その時に学びが習得出来ないと、能力の問題のように扱われがちだよね
バルカナ : んー、たしかに。その時は分からなくても1年後にはスムーズに理解出来てるかもしれないですよね
カンタ : これは大人でも一緒で、内容と伝え方が「分かりやすい」ならば、あとは受け手の「能力」の問題だという捉え方をされがちじゃない?
サキ : たしかに!
カンタ : でも本当は、その学びを習得するのに足りていない知識や経験や発達や心の準備があるだけで、単に「今じゃない」ということだったかもしれないよね
サキ : そう言われてみるとそうですね。
カンタ : 自分が今学んでいることが、義務教育の段階で知識としては得られていたものだけど、今やっと「学び」に出来ているように、「タイミング」を外してたから出来なかった分からなかった事って結構世の中にはあるんだろうなって思ったんだよね
バルカナ : それは確かにありそうですね
サキ : 何か私も昔勉強して全然入ってこなかったことも今ならもしかしたら学びになるかもしれないですね
カンタ : そうそう。子どもの頃はコーヒーなんて美味しいと思ったことないけど、大人になって毎日飲んでるみたいなことの知的能力版みたいなことだと思うんだよね
バルカナ : あー、確かに。分かりやすいかも。
カンタ : まー、だから皆分かってそうなのに私だけ分かってない出来ないみたいなことがあっても、自分は能力が低いんだって思うんじゃなくて「今じゃない」って一旦判断を留保しておくというのは大事なのかなって思った
サキ : なるほど。「今じゃない」って思えば何か心が軽くなる気がしますね
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