#54/「人工」ってなんだろう?
本コンテンツは、「Nodebaseのコンテンツになりそうな雑談」というテーマでNodebaseチームで雑談をした回の文字起こしです。雑談なので、細かい内容の検証等はしていません。内容に間違いがある可能性はありますので、その辺りご容赦ください。
今回は、もう耳にしない日はない、人によっては使わない日はない、AI(人工知能)から「人工」について考えてみた回です。「人工」がゲシュタルト崩壊しそうですね。
カンタ : AIって、Artificial Intelligence、人工知能って意味なんだけど、人工知能って呼び方に昔からずっと違和感があるんだよね
サキ : どういうことですか?
カンタ : そもそもさ、人間がなにかの意図を持って介入したらそれは全て人工的なものになるじゃん
バルカナ : なるほど?
カンタ : 例えば農業でも、「肥料をまく」とか、もっと昔に遡れば突然変異でたまたま出来た甘いイチゴの種を選別するとか、大きな実をつけた種を選別するとか、そうやって意図を持って介入して栽培してるとかの時点で自然への人工的介入なわけだよね
サキ : なるほど、そういう風な捉え方はできそうですね
カンタ : そういう意味では自分たちが目にするものはほぼ全て人工的なものだから、あえて「人工◯◯」って呼ぶ必要なくない?例えば人工野菜とか人工道路とか言わないじゃん
バルカナ : まぁそう言われればそうかもしれないですけど・・・って感じですね。笑
カンタ : あと、そもそも人間も人間から生まれてるわけだし、現代はかなり人工的に管理・統制された環境で生まれるわけじゃん。それだって自然か人工かを対立概念として捉えると結構絶妙なところだよね。
サキ : なるほど
カンタ : 自分たちが知能だと思ってるものも、たとえば論理的思考とか科学的思考だって人間が生み出した概念でしかないわけで、それらをインストールするという教育だって人工的な社会システムじゃん
バルカナ : まぁそれはそうですね
カンタ : ということは今の自分達の知能だと思ってるものも大部分は人工的だと言えるなとか
バルカナ : 脳の生理的な反応とかは非人工的なんじゃないです?
カンタ : それでいうとさ、万物は宇宙の法則に従って動いているという意味では全て非人工的で自然的だよね
バルカナ : うーん、まぁ、そうとも言える・・・のか?
カンタ : 例えば「化学肥料」みたいなものだってさ、化学反応っていう自然の法則に従って作られてるわけだら自然物という捉え方もできるし
サキ : なるほど
カンタ : 有機肥料だってその辺に自然にできてるものを持ってきてるわけじゃなくて人間が人工的に統制した環境で作ってるという意味では人工的だよね
バルカナ : んー、確かに、どこを切り取るかで人工か自然かってどっちの見方もできそうですね
カンタ : 今はさ、攻殻機動隊の世界観みたいに電脳化して脳に直接チップ埋め込んでとかってとこまでいってないから何となく脳とか身体に対して被人工的・自然という感覚を持ってるけど
サキ : はい
カンタ : 知性とか知能という意味ではすでにだいぶ感覚が変わってきてるなとも思っていて
サキ : ほう
カンタ : 例えば、Google登場以降、「覚える」ってことに対する重要度がすごく低下した感覚ない?
バルカナ : そうですね。忘れたらまた調べればいいやって感じはありますよね
カンタ : これもさ、記憶を外部化しているという捉え方をすると認知レベルではすでに人工物がかなり侵食しているとも言えるよね
サキ : あー、なるほど
カンタ : そもそも「知」ってすべて人工物だよなとも思っていて
バルカナ : そうなんですか?
カンタ : 人間が世界を理解するためのパターンとかルールのことを「知」と呼んでいない?
バルカナ : んー、わかるようなわからないような
カンタ : 例えば、「モノを持って手を放すと下に落ちる」って現象は人間の認識とは別に起きているんだけど、それに「引力」とか「重力」とか名付けたり、「(地上では)モノは上から下に落ちる」というパターンを人間が理解することを「知」と呼んでるよね
サキ : ほう
カンタ : 万有引力の法則が発見されなくてもモノは下に落ちてたわけで、理論が確立するというのは、人間が理解して予測・制御可能にして恣意的に活用出来るようになるという意味でしかないよね
バルカナ : たしかに
カンタ : あと、例えば、犬が鋭い嗅覚で匂いを嗅ぎ分けることを「知」とは言わないよね
バルカナ : あー
カンタ : でも香りを「フローラル」とか「フルーティー」とか「ウッディー」って分類すると「知」な感じしてくるじゃん
バルカナ : 確かに
カンタ : こんな感じで、たぶんほとんどの「知」と呼ばれるものは、人間が「である」と「でない」を(特に言語的に)区別出来るものに対して使われていて、その営み自体がとても人工的だなと思うんだよね
サキ : たしかに、そんな気がしてきました。
カンタ : じゃぁ、人工知能の知能をなんと捉えるかって考えると、知を生み出す能力ということかなと思っていて
バルカナ : なるほど
カンタ : って考えると、例えば電卓も人工知能?だってある意味人工知能だよね
サキ : そうですか??
カンタ : 3+5という入力を与えられたら、演算というプロセスをして、8と回答するという一連の流れってまさに「知」じゃない?
バルカナ : たしかに、言われてみたら
カンタ :検索エンジンだって、図書館で本を分類して索引を作って、利用者からの問い合わせがあったら索引を調べて適切な書架に案内するっていう知能をインターネット上のコンテンツでやってるという意味では十分に人工知能だし
サキ : AIって何なのかよく分からなくなってきました
カンタ : そうでしょ。笑
バルカナ : また沼に落とされた感じですね
カンタ : これから、自然とか人工とか見ると何かモヤモヤするようになると思うよ
バルカナ : 呪いをかけられました
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