#40/ 「ルールをハック」すると皆が不幸になる話
本コンテンツは、「Nodebaseのコンテンツになりそうな雑談」というテーマでNodebaseチームで雑談をした回の文字起こしです。雑談なので、細かい内容の検証等はしていません。内容に間違いがある可能性はありますので、その辺りご容赦ください。
今回は、ちょっと前の選挙で"話題"になった「ルールをハックする」ことに関する話。
カンタ : 今日は「ルールをハックする」ということについて話したいんだけど
バルカナ : 何かありました?
カンタ : 特に何がというわけではないんだけどさ、ちょっと前の選挙とかでも選挙ポスターを貼る掲示板を、立候補者乱立させて広告枠にしてたみたいなやつとかあったでしょ
バルカナ : あー、ありましたね
カンタ : あれって、供託金を、あのポスター枠を買うコストとして捉えたら破格の値段だという風な「ハック」としてやってたんだと思うんだけど
サキ : なるほど。何かニュースで見たような気がしますがそういうことだったんですね。
カンタ : これは極端な例だとしても、「ルールの範囲内」だけどルールを制定した人が想定していなかった抜け道みたいなものを見つけて自分が利を得ようとするっていう「ルールのハック」って、まぁ、よく見かける現象ではあるよね。
バルカナ : そうですね。小さい話だと、学生時代にドリンクバーだけで何時間もファミレスでお喋りしてたのとかも、ある意味この「ルールのハック」に当たりそうですね
カンタ : そうそう。最近うちであった話なんだけど、長男に朝7時からは朝の準備するから、早起きしたらそれまでは自由に過ごしていいよ(YouTubeとかも観ていいよ)ってルールにしたんだけど
サキ : はい
カンタ : そしたら朝5時くらいに起きてYouTube観始めてて、流石に早いわ!ってなったんだけど
サキ : 笑
カンタ : 結局、6時から7時の間は自由って、FROMのルールを追加したんだけどね
バルカナ : かわいいですね
サキ : これもあれですよね。決めたときはそこまでやるとは想定していなかったみたいなことですよね。
カンタ : そうそう。かわいいか笑えないかという違いはあれど、ルールを作った人が想定していない使い方をされるという意味では同じ構造だよね。
バルカナ : たしかに
カンタ : これを「ルールの欠陥」として捉えて、ルールの範囲内だから悪いことではない、むしろ賢いことだという評価もし得るとは思うんだけど、自分が経営者という会社の「ルールを決める側」としてはちょっと見方が違ってて
バルカナ : ほう
カンタ : 例えば、うちの会社って基本的に始業とか終業の時間について定めてないよね
バルカナ : そうですね
カンタ : 法的に適用出来る人は裁量労働を選択出来るようにしていて、実際そのように運用されているよね
サキ : はい、とても働きやすいなと思ってます
カンタ : 前にCo-Liftのカルチャーって回で触れたけど、子育てしながらの仕事ってさ、例えば朝の子供機嫌次第で保育園連れて行く時間って結構バラつくじゃん
バルカナ : ほんとそうですね
カンタ : その時にさ、9時始業って決まっていて1分でも遅れたら遅刻ですってルールだと、朝すごく焦るよね
サキ : そうですね。早くしてくれー!!って毎日キーキー言ってそう
カンタ : そんな中で9時3分に始業したとしてさ、生産性下がりそうだよね
バルカナ : たしかに。朝イライラしちゃうとかなり疲れますしね
カンタ : かと言って、会社にとって9時から始業しようが9時3分から始業しようが別に業績はさして変わらんよね
サキ : そんな気がしますね
カンタ : とすると始業時間を決めて厳格に運用するより、あえてふんわりしておいた方がやりやすいよね
バルカナ : 確かにそうですね
カンタ : でもさ、この「ルールをハック」して、毎日11時くらいに起きてお昼前からしか仕事しませんって人が出て
バルカナ : おう
カンタ : 午前中のミーティングは全部欠席しますとかやられたら困るよね
バルカナ : それは困りますね
カンタ : ルールを設定する側の意図としては、大体10時くらいには始業していて、10時以降はミーティングのスケジュールを入れてもOKという感覚で敢えて明文化していないというわけなんだけど
バルカナ : 私もそういうつもりでいますね
カンタ : それをハックされちゃうと、ルールを厳格にするしかなくなるよね
サキ : そうなっちゃいますね
カンタ : そしたら10時始業ってルールにしますか?ってなるわけだけど
バルカナ : はい
カンタ : こうすると、朝イチで病院で検査だけして登園させたいみたいなときに10時って間に合うか微妙になるよね
サキ : そうですね
カンタ : じゃぁそこは半休取って行ってくださいってするとちょっと働きにくくなるよね
バルカナ : あー、確かに。毎日ではないけど、たまにそういうことはありますね。
カンタ : ルールってさ、決めちゃうとその境界線のところで必ず微妙な所が出てきちゃうんだよね。例えば出張のホテル代は一泊10,000円までですって決めてたとして、一泊11,000円の所を取れないとマトモなホテルに泊まれないみたいな事が起き得るよね。
サキ : 確かに。
カンタ : そこで、まぁ一泊10,000円前後って感じだよねという共通認識があって、その通りに運用されてるなら、ルールって敢えて決めない方が皆ハッピーだよね
バルカナ : なるほど。あえてふんわりさせてるってそういう事なんですね
カンタ : ルールの外側にはモラルという境界線が曖昧な領域があって、そのグラデーションの内側に皆が入っていてくれると皆がハッピーになれるんだよね
サキ : なるほど。
カンタ : 「ルールをハックする」人を放置すると何が起きるかというとモラルハザードが起きるんだよね
バルカナ : ほう
カンタ : キレイな場所にゴミを捨てようとする人はあまりいないんだけど、ゴミが一個置かれているとそこにゴミを捨てる人はたくさんいて、それを放置すると気付いたらゴミ捨て場のようになるってよくあるよね
バルカナ : たしかに。
カンタ : そうすると、ルールを厳しくして皆で息苦しくなるか、ルールをハックする人を自分たちの仲間として迎えない・追い出すしか選択肢がなくなるよね
サキ : どちらも悲しいですね
カンタ : 「ルールをハックする」人にルールをハックするなと言っても、ルールを守ってるだろと反論されるとそれ以上はモラルという観点でしか何も言えないよね
バルカナ : そうですね
カンタ : でもルールをハックする人には、そのモラルがインストールされてないわけだから、モラルを説いても一生伝わらないよね
バルカナ : 想像できますね・・・
カンタ : ルールを決める側としては、そういう人を入れないということに細心の注意を払うんだけど完全にフィルターすることは難しい
サキ : 入ってみてから分かるみたいなこともありそうですしね
カンタ : だから一人ひとりが高いモラルを持って、モラルの低い人が居づらくなるとかモラルハザードを起こしにくくなるという雰囲気を作る事が大事で、それが「カルチャー」ということだと思うんだよね
バルカナ : なるほど
サキ : ルールをハックするのはやらないようにしようと思いました
カンタ : サキさんそもそもやれないタイプだよね
バルカナ : ね。笑
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